ウィルオウィスプの手には今、一振りの刃が握り締められていた。刃は電気で出来ている。
「私は今、この鎧の力によって、全電力を引き出す事が出来るの」
顔は仮面で見えないが、肩で息をしているのが見て取れた。
「真剣白羽取りでもしてみる? 掌から蒸発させてあげるから」
「そう…自分の至らなさが悲しくて、最終兵器に手を出したわけね?」
「強がったって何も変わらないのに…」
「人生の先輩としての忠告よ。若者は素直に受け取りなさい」
エルミナスの両腕に、次々と電気が集まっていく。
「また殴るつもり?」
「当たり前よ。口で分からないんだから、体に覚えさせる事にするわ」
これからくる電撃の一振りに対処するため、深呼吸で体をリラックスさせた。


2人は駆けた。
ウィルオウィスプは手にした剣を、大きく振りかぶる。
「いきます!」
対するエルミナスは、両手を握り締め、電撃の鉄槌を形作る。
「必殺! トルニオン・ハンマー!!」




研究所から漏れる一閃の光。それにともなって、今度は真っ赤な爆炎が巻き起こった。

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