深夜、とあるアパートから、狂気と歓喜に満ちた笑い声が響き渡ってきた。


有限会社モノポリア。ボロアパートを改造して作られたこの小さい会社は、普段はヒーローショーのイベントを主催している。ヒーローよりも、怪人の方がリアルだと言われているが、それは彼らが怪人だからである。そう、ここは悪の組織・モノポリアの仮の姿なのだ。


奇妙な笑い声が聞こえてきたのは、そんなアパートの1室からだった。そこには、何かの液体が詰まったカプセルが、列になって並んでいる。マナギの研究開発室だ。
「出来た…! ようやく出来たぞ!」
マナギ博士はいつまでも笑い続ける。嬉しいのだ。目標としていたものが、ようやく完成したからである。
「アルファベッツたちから得た遺伝子をもとに、新たに強化されたキメラが…私の手で! 誕生したぞ!」
彼の目は血走っている。最近徹夜が続いたからだ。
「もうすぐ完成されるアレがあれば…『トライデント計画』は完成する! もはや時間の問題だ!」
『アレ』の完成は、ボスが知らせてくれる事になっている。その完成度も非常に高いらしい。
「待っていろよ、エルミナス…我々の知恵と努力の結晶が! お前を食い尽くしてやる! ハーッハッハッハッハ!」
マナギの声は、勝利を確信していた。


次の日の朝、お隣さんからの苦情に頭を下げるマナギが、そこにいた。

 戻る