「…つまり、モノポリアから逃げてきたの?」
ケイの話を聞いて、そう尋ねるニコ博士。
「そ。食事も住むところも用意するって言ってたくせに、ちっとも整備してくれないのよ? シャワーはこの際置いといて、一番不満なのは食事! 何よ、1日3食って?!」
「それは至極当然の措置だと思うんだけど…てか、シャワーを置くのはおかしくない? 浴びたくないの、シャワー?」
「私、水が嫌いだから」
「納得したわ。さすが、ネコのキメラね」
納得するニコとは打って変わって、エルは心配そうだった。
「それで、ケイさんはこれからどうするつもりなんですか?」
アルファベッツ開発順番的にエルは、ケイより若かった。だから彼女は自然に、丁寧語になっていた。
「しばらく、ここにいようと思うの。あそこよりも快適だし、ご飯もたくさんあるし」
「所長でもある私の許可も無しに、よくもそんな事を、ぬけしゃあしゃあと言えるわね」
自由気ままなケイの挙動に、ニコはずっとイライラしっぱなしである。しかし、彼女も子供では無かった。
「でも、あっちに戻られるよりはマシね。良いわ、あなたの面倒を見てあげる」
「にゃは♪」
その言葉を聞いて、ケイはガッツポーズを決めた。これで敵戦力は削減、彼女達が無駄な戦闘に傷付く事も避けられた。
この様子を見て、ホッとしながらもエルは、不安そうに尋ねた。
「でもニコ、食費はどうするの?」
「決まってるじゃない」
彼女はアルに視線を移し、ウィンクした。
「アルの給料から出しておくわね」
「う、うおぅ?!」
「あんたが飼ってる事にするわ。ペットの食費くらい自分で出すでしょ? そーゆー事。フェルステヘン シー?」
慌てて否定しようとするアル。しかし彼女の、有無を言わさぬ鋭い視線に、黙殺される事となったのだった。

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