16日(月) 朝一のテストが、こんなに辛いものだったとは……。 出来たのか、出来てないのか。 よく分からないまま、最初のテストが終わった。 スタートダッシュにしては、力不足だったな。 17日(火) 今日はテストが無かった。 明日に備えてたっぷり勉強出来た。 何せ、まるごと1日かけたからな。 今度こそはズバリ答えてやる。 18日(水) 神社で100円を納めた。 どのテストも失敗したくないからである。 家に帰ると、あのケチなフォルトゥナが、俺に100円手渡してきた。 そんな難しい事頼まれても困る、ときたもんだ。 神様が願い事を断るとか……。 それは駄目だろ。 19日(木) テストの合間に休みがあるのは、本当に助かる。 今日も1日中カリカリやっていた。 明日は簡単なテストだから大丈夫だ。 自信を持つんだ、俺! 20日(金) 朝と夕方にテストがあるのは、反則だろ。 お陰で気が抜けない1日だった。 月曜まで休みだ。 明日はゆっくり羽を伸ばそう。 21日(土) 以前突っ返された100円を、フォルトゥナにあげた。 お小遣い、という事にしておいた。 小憎たらしいところもあるけれど、あいつには何度もお世話になっているからな。 彼女は目を丸くして驚いていた。 お前は俺を、どれだけケチだと思っていたんだ? 22日(日) 明日の難関にむけて、友達のチゲのアパートに集合した。 1人で分からないのなら、1つの問題を全員で取り掛かれば良い。 三人寄れば文殊の知恵、という奴だ。 誰も解けないから、意味無かったけどな。 23日(月) あれは駄目だ、不合格間違いなしだ。 大体、俺達の山勘、大外れだったし。 明日は簡単なテストがある。 気持ちを切り替えるのだ。 24日(火) フォルトゥナの野菜がいくつか収穫された。 やけに人参が小さいのは、まだ成長途中だからと予想される。 初めての手作り野菜に情がうつったのか、俺は一口も食べさせてもらえなかった。 本当、まるで子供だな。 25日(水) まだいける。 まだクーラーなしでいける。 26日(木) もう無理。 もうクーラーつけます。 俺の決断に、フォルトゥナは拍手までした。 あいつは暑がりだからな。 とは言え、あの日以来、ギャーギャー言わなくなったその我慢強さは、褒めてやろうではないか。 明日で俺のテストは終わりだ。 とっとと終われ、明日よ! 27日(金) 今日のテストが少し難しくて、合格したのかどうかが分からない。 実に微妙だ。 これで俺はテストから解放された。 フォルトゥナの飯も、いつも以上に美味しく感じた。 何だかんだ言いながら、この生活にも慣れてきたな。 今年は実家に帰らない予定。 28日(土) 昼間でぐっすり寝た。 今までの疲れが全部吹き飛んだような気分だ。 フォルトゥナのベッドについて、本人から抗議を受けた。 もう押入れの中は暑くて嫌、だとか。 とはいえ布団は1つしかない。 世帯主として、この布団を譲る訳にはいかないのだ。 その上、代わりに俺が押入れに入るのは、断然納得のいかない話である。 フォルトゥナはすっかり拗ねてしまった。 あろう事か彼女は、ハンガーストライキに乗り出したのだ。 俺が布団を差し出さない限り、俺はしばらく飯にありつけそうにない。 今までの疲れが全部戻ってきたような気分だ。 29日(日) いよいよハンガーストライキが始まった。 住人対居候という構造は、俺達が世界初ではなかろうか? しかし、納得いかない。 ハンストは自分がするものだろ。 何で俺まで飯抜きなんだ? まあいい。 そっちがその気なら、容赦しない。 俺はクーラーを止めてやる。 フォルトゥナとの全面抗争は、始まったばかりだ……! 30日(月) フォルトゥナが投降した。 お前はもう少し出来る奴だと思っていたのに……。 しかし、俺も大人気無かった。 寝る時に襖を開けて良い、という条件で俺達は、停戦協定を結んだ。 久し振りの白米の美味しさに、2人して思わず涙した。 31日(火) テストが終わってから、実家に帰る奴が増えてきた。 帰らない奴は、大体決まっている。 面倒臭いか、下宿が好きか、実家が嫌いか、彼女がいるか、のどれかだ。 ……ちくしょう! |